悪魔の囁き

俺は百合に電話をかける。

なんとか探した百合の家は空き家になっていた。

スナックに行きママに聞く。

「百合は?!」

「離婚したって聞いたけどどうなんだろうね?この街でたって噂だし。」

「・・・」

「柚木ちゃん、あなたも早く病院行ったほうがいいわよ。紹介するわ」

ママは笑った。


その時、店の奥のテレビに映ったのは、百合だった。

“本日未明、長野の山中で車のガラス部分にガムテープをはり、マフラーにホースをつけ、室内まで引き、ガス自殺を図った模様です。この女が乗る車の室内には遺書と見られるものがあり・・・”

数日後、警察に呼ばれたママは遺書を受け取って帰ってきた。

“ママ・・ごめんね。私、ママにもみんなにも病気移して・・
皆に私の気持ち分かってもらおうと思って生きていこうと思ったけど・・
もう駄目。
柚木にも言っといてね。早く病院行きなさいって・・・、柚木・・、先に待ってるよ“

柚木宛ての遺書に書いてあった言葉。

“エイズの世界へようこそ”

「ママ・・・俺、駄目かもな」