教室に入ると、今日はなんだか賑やかだった。


「どーしたの? 皆…。」


クラスのムードメーカー的存在の結衣が皆に声をかける。


「今ね、もうすぐある体育祭について話してたの。」

「体育祭?」


そう言えば、もうそんな時期なのね…。

この学校はなぜか5月に体育祭をやるんだ。


「で、今実行委員を決めてんの~☆」

「実行委員? まだホームルームじゃ無いわよね?」

「うんっ。皆気持ちが先走っちゃって…。」

「無理も無いよね~。」


この学校は高校生になると内容が少しずつ変わって来るんだ。


「で、誰か決まったの?」

「男女2人ずつなんだけど、もう決まってるのが小林サンと矢川クン。」

「残り男女1人ずつだね。」


「あ、俺、詩乃チャン推薦する~♪」


その時突然、声があがった。


「あたしも~♪」

「わっ私!?」

「だって詩乃、運動神経いいし~♪」

「皆の事まとめてくれるじゃん♪」


うわ~…。


「やりなよ、詩乃。」

「結衣…。」

「まだ始業式から1週間経って無いんだよ?
なのにこの支持率。いいじゃん。」

「ん~…と…。じゃぁ…。」