-1週間後…


「見て見て~♪」


朱音が部屋を訪ねて来た。


「何?」

「ほら、写真ー!!」

「本当! 
懐かしいわね…。」


って、そんなに前の事でも無いのだけれどね?

長野では善光寺やあんずの里に松本城…おやきを食べもしたわね。
新潟では笹川流れやら…とにかく楽しかったわ…。


「また行きたい! ねっ、詩乃!!」

「ええ! でも今度は竣と2人で行きたいわ♪」

「ノロケ~☆」

「…。//」


ノロケたくもなるわよ…。
だって、旅行の帰り…。



【詩乃。】


竣に呼ばれて、私は竣の方へと近づいて行った。


【何? 竣。】

【これ…。親に押し付けられてだけど…。】


と、小さな箱を取り出した。


そのケースは、女の子なら誰でも受け取るのを夢見る物だった。


【これ…。】

【…俺と、結婚してよ。】

【…ええ…。】

【もう決まりはしたけど…俺、自分からちゃんと言ってなかったから…。】

【…確かにそうね?】

【…これから、よろしくな。】

【こちらこそ。】


そして今、その指輪は私の左手の薬指で輝いている。