ホワイトデーから約1週間。


「それでは、明日から春休みです!」


早いもので、今日は終了式。


流れるように時が流れてゆく。


「それじゃ、皆元気でね!」


1年生最後のHRが終わった。

でも、それを惜しむ人は1人もいなくて。


「あんま1年終わった感じしないね~。」

「本当。
3年間クラスが変わらないんじゃ…ちょっと拍子抜けしちゃうわね。」

「本当! あ、隆が待ってるから私もう行くね~!」

「ええ! ばいばい!」

「バァ~イ♪」


長かったけれど、早かった。


竣と出会ってからの1年。



「詩乃、帰るぞ。」

「ええ!」


キュッと竣の手を握る。


「詩乃?」

「もう、1年経つわね…。」

「あぁ。」

「…竣。」

「ん?」

「ありがとう。」

「は…?」

「最初の印象は最悪だったけれど…。」

「あぁ、俺もだわ。」


通路を挟んで初めて隣になった時。


「だんだん竣を知って。」

「あぁ。」