-1週間後…


テストが全部帰って来た。


「おぉ~、槍でも降るんじゃないか?
補習がいない!」


皆経済の勉強をしていたおかげか、奇跡的に補習にはならなかった。

でも先生、槍なんか降ってきたら私たち死んじゃうわ!


「奇跡…だな。」

「本当ね…。」

「赤点だったのが、赤点の遥か上だった…。」

「まぁ…。」


なにはともあれ、テストは無事に切り抜けた…わね。


「あ、詩乃。」

「何? 結衣。」

「明日は女の子にとって大事な日だね~!」


明日…?


「明日は2/14だよ~♪」

「2/14…。」


2/…14…!?


「バレンタインじゃない!」

「そ! 一緒に作ろうよ♪」

「ええ、いいわよ! 結衣は何を作るの?」

「ん? カップチョコ!
チョコを溶かして、型に入れるだけ! 超簡単だよ~♪」

「ふーん…。」

「詩乃は何作んの?」

「チョコレートケーキでも…。」

「へー! 食べさしてね♪」

「余ったら…。」


気付かなかったけれど、辺りはバレンタイン一色。



バレンタイン…ね…。