-『7073』-


「ありがとう、竣。」

「別に。俺は俺が思った事を言ったまでだ。」


-ドキンッ


「え…え…。
…嬉しかった…。ありがとう…。」

「…おぅ…。」


あんな風に優しくしてくれる男の子もそういなかったから…。


「そう言えば、詩乃、体調悪かったのか?」

「え?」

「朝元気だったから。」

「あぁ…あれは…ちょっと違うのよ。」

「もしかして、昨日言いかけてた”小さい頃の事”が関係してるのか?」

「………。」


覚えてたんだ…。


「何があったんだよ?」

「……―――。」


…1年間同室なんだし…言っといた方がいいのかしら。


「詩乃。」

「…後で…結衣に話すことになってるの。
その時に…一緒に話すわ…。」

「分かった。」


そうよね。
迷惑掛けてしまうもの。それなら、ずるずる引きずらないで…言っておいた方がいいわよ…ね。

でも…逆に言わない方がいいのかしら?


「詩乃?」

「何? 竣。」

「何変な顔してんだよ!面白くねぇし!」


アハハと笑う竣。


「もう~…面白いとかそんな問題じゃないでしょ?!」


竣のバカ!!

でも…おかげで少し

元気が出たかも…しれない。