「だから、今日は帰って、北条の様子を見てほしいんだ。」


いきなり真顔になる先生。


「いいだろう? 板垣。」

「ま、いいっすけどね。俺は授業サボれるし、得だからな。」

「ならいい。さよなら~。」


ニッコリ笑って言う先生。


「さいなら。ほれ、行くぞ。詩乃。」


竣がそう言うと同時に教室が騒がしくなった。


「呼び捨て!? まさか…もうそう言う関係なのか…!?」

「いや~、板垣ク~ン!」

「板垣、てめぇ~!!」


さまざまな声があがった。


「ほら、お前らうるさいぞ。」


それは先生でも抑えられなくて。


「北条サンって案外手ぇ早いんだね~。」

「ってか北条サンて軽くね~??」

「ショック~。」


-ズキンッ

心が悲鳴をあげる。


「うっせんだよ、お前ら。」


竣…。


「お互いがどう呼び合おうが勝手だろ?」

「でも…なぁ。」

「呼び方でそう言うの判断すんなよ。」

「……。」

「第1、お前ら仲間に対する思いやりってもんが無ぇのかよ。」

「竣、もういい…もういいから…。」

「お前ら、最悪だな。」


最後に、竣が吐き捨てるように言った。