「詩乃様、いってらっしゃいませ。お元気で…。」

「行って来るわ!」


私、北条 詩乃(ホウジョウ シノ)高1。
ちょっとしたお嬢様です。

今日は1学期の始業式。

私が通っているのは中高一貫校。普通の私立高校。
ただ違うのは全寮制って事かしら。

いつも通り、校門をくぐる。
いつも通りの朝。

でも、1つだけ違った。


「あ、おはよ!! 詩乃♪」

「おはよう、結衣。」


この子は私の友達の里中 結衣(サトナカ ユイ)。
私の幼なじみで、1番の親友。


「どうかしたの? この騒ぎ…。」

「詩乃、知らないの? 今日ね、転入生が来るんだって♪」

「転入生?」

「男らしいよ! 噂じゃ超イケメンって話も…☆」

「イケメン…興味無いわ…。」

「あ、そっか、詩乃はそう言うの興味無いんだっけ…。」

「興味無いと言うか…イケメンって皆性格悪いじゃない?」

「さぁ…?」


イケメンどころか…男にすら興味の無い私。

恋がしたくないわけじゃないわ。
ただ、めぐりあわないだけなのよ、きっと…。


「ま、詩乃の理想は高いからね!!」

「高くないわ!! 普通よ普通!!」


私の理想は…

1、優しい

2、私よりも背が高い

3、頭もある程度いい

位よ? まぁ、他にももろもろあるけど…。

そのくらい満たせなきゃだめよ、だめ!!