-『7073』-


-ガチャッ


ドアのあく音がしたのは、私が部屋に戻ってから数分後だった。


「詩乃……――。」


顔を出したのは竣。


「竣…。」

「「ゴメン(ナサイ)!」」


え…?


「どうして竣が謝るの…?」

「なんで詩乃が謝んだよ…?」

「だってっ…私がちゃんと言わなかったから…。」

「俺も変な意地張ってたし…。」


そんなやり取りを繰り返した後、結局お互い様と言う事で収まった。


「で、殴られたって…大丈夫かよ…?」

「あっ…ええ。」

「見せろ。」

「見せろってっ…おなかよ!?//」

「関係無ぇし。」


というわけで、おなかを見られてます……。//


「竣…。」

「あざもなんもねぇな。」


と安心した様子の竣は、服を直すと、軽く微笑んだ。


「でも…竣、キス…したの?」

「あぁ…。してねぇよ。
アイツが言ってんのは、昨日…アイツが俺の鼻にキス(?)した事言ってるだけだ…。」

「鼻?」

「あぁ。だから、俺はキスだと思ってねぇし。」

「…。」

「…俺がキスだと思わなかったから、言わなかった。ダメ?」

「…ダメよ。」

「…。」

「女は嫉妬深いのよ…?」