「チュー!?」


結衣が叫んだ。


「…もう知らないわよ!」


私はそう叫ぶと、そのまま屋上へ走った。


「詩乃!」


後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。


「詩乃! アンタ足速いんだからっ…!」


屋上まで私を追いかけて来てくれたのはやっぱり結衣。


「っ…結衣っ…!」

「詩乃…。」

「私っ…どうしたらいいの…!?」

「詩乃…。」

「っ…竣…っ…。」


もはや涙は止まらなくて。

ただただ感情と共に溢れ出す。


「…詩乃、待ってて。私、聞いて来るから!」


行こうとする結衣のセーターの端を掴んだ。


「待ってっ…行かないで…。」

「詩乃…でも…!」

「…1人にしないで…。」

「…分かった…。」

「朱音に、頼んでみるわ…。」


というわけで、さっそく朱音にメールした。



-TO:朱音

 今日、竣と喧嘩してしまったの…。
 
 実は昨日……――