お兄ちゃん…藍といるから?


「は…?」

「今日は詩乃、お兄ちゃんと萌亜の部屋に泊るって!」

「…。」


マジかよ…?

それって…浮気?


「竣クン、できたよぉ~♪」


食卓に飯を並べる柚木女。

「…。」


もはやもぬけの殻。


-ゴロゴロゴロ…

雷…。


「詩乃…。」


思わず口をついて出た呟き。


「え?」

「いや…なんでも…。」


今頃、藍が側に付いているのだろうか。


「わぁ…、すごい雨…。」

「あぁ…。」


クソ…。俺、だせぇ。

こんなにも、女に余裕が無ぇなんてな…。


「おい、柚木女。 飯、ヤバいんじゃねぇの?」

「…。」

「おい、柚木女?」


…シカトかよ。


「…で。」

「は…?」


何かを呟く柚木女。


「なんつった…?」