「朱音…。」

「はぁ~! でも、詩乃が無事でよかった!」


と笑う朱音。


「朱音ぇ~!!!」

「詩乃~?」


よしよし、とする朱音はなんだか、お母さんの様だった。


外に出ると、雅樹と竣がいた。


「朱音ッ!!!」


と朱音を抱き締める雅樹。

と同時に、ガクッと、朱音の膝が折れて、朱音はその場にしゃがみこんだ。


「「「朱音!?」」」

「ヤダァ、もう…。安心したらっ…力…抜けちゃったぁ…。」


えへへ、と笑う朱音。


「…っ、マジよかった…。朱音…。」

「ふっ…雅樹っ…怖かった…!」
泣きながら、雅樹の背中に手を回す朱音。


「朱音…。」


よかった…無事で。何も、無くて。

ポン、と竣の手が肩に置かれた。


振り向くと、微笑んでいる竣がいた。


「良かったな。」

「…ええ!」