*朱音 side*


「朱音チャ~ン♪ どこ行く!?」

「どこって、海にいるに決まってるでしょ!?」

「そぉだけどぉ~♪」


はっきり言って、キモイ。


「あ、私トイレ~!」


ちょっと女の子ぶってみる。


「いいよぉ~! じゃぁ、アソコに行こ~!」


男が指さした先は、公衆トイレ。

あそこじゃ電話したら話し声が聞こえるし、メールしても打つ音が聞こえちゃう…。

せっかくケータイあるのに…!


「えぇ~! 私、海の家のトイレがいい!」

「遠いからダメ!」


…見つけてもらうまで、粘ってトイレの中にいるしかないか…。


「じゃ~ここでいい。」


とりあえず、トイレの中に入る。

ダメだ、やっぱりメールするにも音が…!


「朱音チャン、まだ~?」

「まだぁ!」


仕方ないか…。

私は静かにメールを打ち始めた。


「長いねぇ!」

「ちょっと! なんか調子悪いみたい!」


何の調子だよ…。


なんとか作成したメール。


-TO:雅樹

 助けろ、バカ雅樹!! ○○の近くの公衆トイレ!-


送信!! よし! 


~♪


「「「!!?!?」」」