「…じゃ、朱音チャンだけでも♪」

「…めんどいんだけど。」

「冷めてんな~! クールビューティー狙ってんの~?」


なんて盛り上がる男たち。

朱音が、私に小さく言った。


「詩乃。」

「朱音…。」

「ここは私がなんとかするから…行きな、詩乃。」

「でもっ…。」

「いいから。 皆の所に戻ったらちゃんと、雅樹たちに知らせてよね。」

「朱音…。」

「大丈夫、頑張ってその辺にいるから。」


私は朱音が心配でたまらなかった。

だって…朱音だって女の子じゃない…。
私だけなんて…できるわけがないじゃない!


「朱音っ…私っ…。」

「ほれ、暴力団の彼氏に怒られる前にさっさと帰れよ。」


と男のうち1人に言われる。


「えっ…。」

「朱音チャンは借りてくよん♪」

「ばぁ~い☆」


朱音…ッ!!!

私は急いで竣たちの所へと戻った。


「竣ッ…!!」

「おー、どーした? んな急いで…。」


相変わらず落ち着いてる竣。


「あれぇ、詩乃~! 朱音はぁ~???」

「雅樹ッ…! たいへんなの…! 朱音がっ…!!」

「朱音がどーかしたのか!?」


慌てる雅樹。

やっぱり朱音の事が好きなのね、とここで実感しちゃう私。


じゃない!!


「実は…ッ!!!」