「おはよっ☆」


翌日、学校に行くと、朱音のテンションは元に戻っていました。


「おはよう、朱音。」

「おはよ、詩乃。」


本人も大分落ち着いたようで、私もホッとしてる。


「あーっ、おい詩乃ッ! 俺の彼女から離れろッ!」


そう言って横から朱音に抱き付いたのは、雅樹。


「キモいんだよッ、雅樹ッ!」


朱音は雅樹を剥がし、私の肩を抱いて言った。


「詩乃は、別なのッ。」

「え?」


朱音?


「ねっ、親友ッ☆」


親…友…。


「…ええ!」


雅樹はそれを聞いて、微笑んでいた。

雅樹も、心配だったのよね。


「じゃねっ、詩乃。」


そう言うと、朱音はあゆかの元へと走って行った。


「…サンキュ、詩乃。」


雅樹が呟いた。


「…何が?」

「朱音の事、さ。…俺には、どーしよーも無かった…。」

「…私、お礼を言われるようなことしてないわ。

私はただ、自分の大切な人と、お話しただけだもの。」


それに、背中を押してくれたのは、竣だもの。

私は、何もしてないわ…。


「まぁ、とにかく…サンキュ。」


そう言い残して、雅樹はどこかへ行った。