-朱音の部屋-


-ピンポーン


「はぁーいって詩乃…。」

「おじゃまします♪」



「めずらしいじゃん、詩乃がウチらの部屋来るなんて。」


部屋に入ると、朱音が紅茶を出してくれた。
これから飲むところだったらしい。

朱音が椅子に座ると、私はきりだした。


「ちょっと、朱音に聞きたい事があったのよ…。」

「へぇ~。詩乃が私にねぇ…。」


とニヤニヤしながら話して来る。


「聞きたい事とは何かしら? 詩乃チャン♪」


私は紅茶を一口飲んで、気付いた事があった。


「そう言えば、朱音が紅茶なんて珍しいわね。」

「そう?」


朱音はいつも麦茶が1番ッ! と言って、麦茶しか出さない。


「なんか、温かいの飲むと落ち着くから…じゃん?」

「…落ち着くから…。」


やっぱり、朱音…何かあったのかしら。


「…朱音。」

「何?」

「…この間…。」

「ん?」

「テストの日、私たち何か言ったかしら…?」

「え…。」


私がそう言うと、朱音は拍子抜けしたような顔をした。


「テストの…日…。」


朱音は繰り返すと、静かになった。

朱音からは、笑顔が消えた。