*竣 side*


「ったく…いつまでここにいるつもりだよ、竣。」

「…詩乃の風邪が治るまで。」

「俺と朱音がイチャつけねーだろッ!!」


ただ今(なぜか)雅樹に説教されちゃってる俺。


「誰と誰がイチャつくのかな? 雅樹クン☆」

「…俺と朱音。」

「イチャついたりなんかするわけないでしょ!?
ふざけんな、このチャラ男ッ!!」

「えぇ~!! チューくらいいいじゃん~。」

「はぁ!? 何言ってんの! キモッ。」


俺は正直、ここまで言われちゃってる雅樹を可哀そうに思う。


「だってぇ~…詩乃と竣でさえ、もうチューしてんだぜ!?」

「嫌だッ!! 雅樹とチューとかマジ考えらんないんだけど!」

「いいじゃん、朱音ぇッ!」

「いーやッ!! あたしゃ結婚する人としか、そう言う事はしたくないの!!」


…聞いててマジで可哀そうになる。
朱音の彼氏にならなくてよかったと、つくづく思う。


「だいたい、なんでアンタとファーストキスしなきゃなんないの!?」


その言葉に、俺と雅樹は凍りついた。


「…何、アンタ達…。
あれ、私なんか変なこと言った?」

「言った…言ったぞ朱音…。

大問題発言だ…。」


たじたじの雅樹。


「…?」


朱音の…朱音の…


「「ファーストキスがまだだったなんて…。」」

「…そんなこと?」

「いや、マジ重要だから!! なぁ、竣ッ!!」

「重要…。つか、それであんなに拒んでたわけか…。」

「…だって、本気で好きな人とそういうことしたいじゃん。」


雅樹、お前可哀そすぎ…。


「…俺の事、本気じゃねーの?」