先生は女子高生!?

 保健室に入り、窓を開けて、白衣に着がえる。

 すぐさまパソコンに向かい、昨日の続きをする。

 昨日の続きって? ゲームの事。

 ああーっ、また失敗だ。

 いつ告白するとか、どんな言葉を選ぶかとかで、成功or失敗は決まってくる。

 恋愛してないから、わかんないよー!

 んじゃ、もっかいしよっと…。

「暗いなー。

 朝8時台から、ネットゲーム?

 うわっ、しかも恋愛シュミレーションってやつ?」

「うるさいわね。」

 朝から毒吐きまくりの俊。

「俺ってゆー彼氏がいんだからよ。

 そんなの必要なっしんぐ!!」

 と同時に、電源ボタンに触れる俊。

「ああー、データが!!」

「さよなら~♪」

 ピーッ。

 電子音が流れ、画面は真っ暗。

 こ、こいつ…。

「画面の中の男と付き合うより、目の前にいる男に、注目してみたら?」

 細く長い指で私のあごをつまみ、こちらへ向かせる俊。

「まーね。付き合ったっていっても、会って2日だ。

 まずは、自己紹介でもしよう。」

 スッと立ち上がる俊。

「渡部俊。7月7日生まれ。

 血液型はO型。趣味は、遊ぶこと!」

 ニッと笑う俊。

 な、何?

「そちらは?」

「わ、私っ?」

 首をひねりながら立つ。

「えっと…。」

 何か思い浮かばない。

 名前と誕生日と血液型と…、あ、趣味も言わなきゃ!

「いいよ。」

 飽きれた表情の俊。

「俺から聞いていくから。

 まず、名前は?」

「白木杏奈。」

「うん。」

 俊が微笑みながらうなずく。