「あら、また熱?

 一週間も続いてるなら、病院に行きなさいよ。」

 鼻の下を伸ばした男子。

「あら、また何かあったの?

 悩みは尽きないものねぇ。」

 目を真っ赤にした女子。

 この学校の生徒達は、保健室の常連ばっかり。

 そしてみーんな、私目当て。

「先生に言ってごらん?」

 私が真剣な瞳で見つめると、誰も嘘はつけない。

 白木杏奈――

 東条高等学校の保険医。

 大人っぽくて超美人な先生!! で通ってます。

 生徒からも先生からも、アプローチされまくりの毎日。

「せんせー、今フリー?」

「んー、そうね。」

「じゃあさ、俺と付き合ってよ。」

「あら、あなたと?」

 とか

「白木先生。」

「はい。」

「あの…明日良かったら、ご飯一緒に食べに行きませんか?」

「…二人っきりで?」

「そ、そうですね…。」

「考えときます。」

 とか。

 我ながら、イケてる女だとは思うけど。

 こーんなにモテるなんて思ってなかった。

 みんな口を揃えて言うんだもん。

『先生、超sexyじゃん』

『マジで大人の女ってカンジ』

『何歳?

 若そうだし、歳とってそうだし…。

 不思議に色っぽいよね』

 不思議に色っぽい…ね。

 確かに的を射てる。

 なぜって?

 それは私が――

 女子高生だから!!