「セーノ…信くぅん」

うるせ。

「ばいばぁい」

キャァアアアアアアーーーッ。

早く帰りてぇ。

女子達は走って行った。

「疲れんなぁ。」

何が“信くぅん”だよ。
うぜー。

「よッ。信様♪」

またうぜーのが
来たよ。

「気色わりぃな。陸斗」

コイツは榛名陸斗。
幼なじみで
お節介な奴。

「アハハ。そう言えばさぁ。お前遅刻しただろッ。確りしてくれよ“王子様”♪」


ほらな。お節介。

「うるせぇ。ほっとけ」

「あっ。お前がステージに上がる前に出てたコだ」

さっきの女…。

絶対あの女鈍そうだな。

「結構、可愛いかったな」
「そうかぁ?陸斗は誰でも可愛いって言うからな」

「名前なんて言うんだろ♪聞いてみよッ♪♪」

「…聞けよ」

はぁ…。
朝から調子
狂うなぁ。


「かぁわいコチャン♪」

その女が振り向いた。

長いストレートの
黒髪が綺麗だった。

「な…なんですか?」

「名前何て言うの?」

女はおどおどしてる。

「……咲瀬」

「ノーーン。下の名前♪」

まったくコイツは
馴れ馴れしいなぁ。

「捺乃です…。」

「捺乃チャン。可愛い名前だね♪仲良くしようよ♪」