ギィイィーーー。

………。

ギシ…。


……ここが…。

捺乃の家……。

「あっ。そこら辺に座ってて下さいね。」


「…おぅ。」


スゲー…。

何時の次第の
家だよ…。


あれ?

そう言えば…。

家族が居ねぇ。


「おい。」

「何ですか?」


「お前の家族は?」

まさか…。
亡くなってたり…。


「あぁ。1人暮らしです」


………えっ?


「私の実家めっちゃ遠いんですよ。でも絶対あの高校行きたくて。」


………へぇ。

そうだったんだ。

「…そう言えば…」


「なんだ?」

「信…。何でここに居るんですか?」


…えっ。


「家に居られなくなったから…。」


「何で私の家なんです?あのお友達の所じゃなくて」


…コイツ…
鈍すぎだろ。


「それは…」


「…まぁいいやっ」

…ほっ。

「ご飯作りますね~」


「あっ。待って。」

捺乃の手を引っ張った。


「俺をここに置け。」

「……………ほぇ?」

決めた。

捺乃が俺の
気持ちに気づいて
くれるまで…。



「ここに住む。」