「勘蔵様・・・。」

誰かが自分を起こした。
目を開くと勘蔵は牢屋に入れられていた。
声の主は隣の牢獄の島村だった。

「どういうことだ・・・?」
「罪人として捕らえられたようです。」
「・・・そうか。」

「か、勘蔵様ッ!」

後ろを振り向くと、反対隣の牢獄に昔の家来が3人いた。

「どうして勘蔵様がこのような所へ?」
「・・・野暮用とでも言おうか。なぜ、お前達がここに?」
「・・・総鶴様の陰謀にあります。」
「陰謀?」
「自分を帝に推さぬ者を皆、処罰しております。」
「総鶴がそんなこと・・・。どおりで私が推されるわけだ。」

勘蔵は軽く笑った。

「とりあえず・・・ここから出られるのだろうか。」

全員が沈黙した。