「勘蔵殿・・・勝手に出入りされては困ります。」

表情無く番兵が言う。

「血の繋がりはある・・・。弔うことくらい許せ・・・。」
「なりません。」

番兵は槍を勘蔵に向ける。
勘蔵の目が門の上から立ち上る煙を見つけた。

「もう火葬を・・・?」
「言えません。」

島村が突然前に出る。

「通せ。」

島村は刀を抜く。
番兵の槍が島村に向く。

「フンッ!」

島村は渾身の一撃を放ち、槍の柄の部分を斬った。

番兵が驚いている隙に近付き、剣を振る。
勘蔵が初めて聞く種の悲鳴だった。


「勘蔵様、参りましょう。」
「‥‥‥あぁ。」

実際に番兵を斬るとは思わなかったため、少し驚いた。