「勘蔵さん・・・、どうしました?」

「何が・・・?」
「今日は・・・少し荒い。」

少し喘ぎながら言う香。
少し気を遣おうとして動きを弱める。

「いいの・・・。さっきどおり、勘蔵さんのむくままにして・・・。」

動きは激しくなる。

次第に香の喘ぎ声は強くなる。

香の口を接吻で塞ぐ。

香が背中に腕を回し、強く抱き締めてくる。


勘蔵は不安をもみ消そうとするかのように快楽を求めた。
不安は激しさになり、激しさは快楽を生む。

不安が快楽に変わる。

心のなかに不思議な言葉が渦巻く。

心地悪い不安が
心地よい快楽に変わる。

しかし、考える暇も長くはなく果てた。

床の中で抱きつく香の温もりは心地よく、どことなく安心できるものがあった。