眼鏡を鼻までずらしながら古い小説を読む銀爺さんは、私が出した本を見て、小説に走らせた目を止めてこちらを見る。
「ほぉ……カナが見つけたのか…」
「ん?」
「待っとれ」
何やら奥に行って引き出しをバタバタ開きながら何かを探している。
ふと、この不思議な本に目をやるとある事に気がついた。
「タイトルがないじゃん…」
この本にはどこにもタイトルがないんだ。
裏返してみてもない。
「ほぉ……カナが見つけたのか…」
「ん?」
「待っとれ」
何やら奥に行って引き出しをバタバタ開きながら何かを探している。
ふと、この不思議な本に目をやるとある事に気がついた。
「タイトルがないじゃん…」
この本にはどこにもタイトルがないんだ。
裏返してみてもない。


