かなこの木






――プルルルル…プルル……




「はい、市立図書館です」


けだるい雰囲気の聞き慣れた声が受話器から聞こえて来た。


「あっ!!銀爺さん!?可奈子だけど…」

「おー!カナか、どうした?」

「あのね…あのー…」




電話をしてみたがものの、何て伝えたらいいかわからなかった。



「あのさ………」


でも、私の質問より早く質問をしてきたのは、銀爺さんだった。