かなこの木

春から夏になる間、陽射しは暑いのに柔らかい。


まだ春らしい花も咲いている。





いつもの抜け道の舗装もされてない路地を歩きながら、不思議な本を眺めていた。



かなこの木……。



「昔…お父さんが借りたのかな。」




運命だよね、こんな偶然。


普通ありえない。





路地の横から1匹の猫が隙間から出てきた。


そして、お尻をフリフリしながらまた隠れてしまった。