先輩のいるはずの教室の前まで行くと 心臓がバクバクした。 手には汗。 ユイカちゃんは、そんな私を尻目に教室を覗き込んでいた。 「ほら、いたよ?窓辺で本読んでる。」 私が教室を覗き込むと、先輩は相変わらず1人いた。 手にしている本を真剣に読んでいて、こっちには目もくれない。 「あれ?アイミちゃんだ。どーしたの?」 よく知らない先輩が、からかうように近づいてきた。 「あ、もしかして俺に用事?」 …怖い。 ユイカちゃんが、その人を睨んで私の手を引いた。 その時だった。