血の果て




  ガシャンッ!



それはバスルームからの激しい音。

あわててドアを開け、飛込んだ。


「なッ…‥!」

「あ…‥」


足が弱っていた事は、その様相から何と無く解ってはいた。

タオルで体を拭いていた時よろけ、その拍子に突いた手が、リカ愛用の化粧水の瓶に触れたのだろう。

見事、床の上でこなごなに割れた瓶。

大理石調のタイルに罅まで入れて。