「リカ───話しをしよう」 言ったその後で、何を話せば良いのか、自分の迂濶な口唇をグッと噛み締めた。 「何を話すつもりなのよッ!」 いきなり開いたドアにたじろぎ、彼女の顔を仰ぎ見る。 「話しをしてもどうなる物でも無いでしょ!? 恭一も苦しいだろうけど────私も苦しいわよッ!!」 ずっと泣いていたのか、目が赤い。