「それなら私は、誰の老後を看る事も無い。 背負わなくて良い。 そう思ったから結婚に踏み切ったのよ」 「惚れて───愛してるから、結婚しようと思たんじゃなかったのか?」 「確かにそれも有るけど」 「けど?」 「そんな感情を、何十年も持ち続けられる人が居ると思う?」 少なくとも、俺はその一人のつもりだ。 「何にしろ私は嫌よ」 哀れなのは誰だろう?