17階のボタンを押す。 二人して乗り込んだエレベーターの密室が、やけに狭苦しくて発狂しそうになる。 その時、何気にうつ向くその人間をチラリ、横目で見る。 こんなに小さな奴だったか? 記憶なんてほとんど無いんだから仕方が無いか。 どうせなら、そんな僅かな記憶もなけりゃ良かったのに。 肩で大きく息をして、天井のライトを見上げた。