そんな俺の妄想を吹き飛ばす様に声が響いた。 「───恭一」 23年ぶりに《母》と言う人から呼ばれた名前。 そして、久闊に聞く皺枯れた声。 「大きく…‥───なったねぇ」 潤んだ瞳で、何を言ってるんだ? コイツは。 それが最初に言う言葉か?