「───母さん。 ずっと…‥そう呼びたかったんだ」 始めて抱き締めた母の肩は弱くて、細くて。 「母さん…‥母さん…‥」 血肉の繋がりは、自分がどんなに望まなくても必ず存在して。 いくら一人で無視して生きて来ても、髪の毛1本、爪の先、全てにそのDNAが躰を形成する。 そして、生き方もどこか似るようで。 俺も母と同じ、誰かを傷付けなければ生きられ無かった。