『こんな…‥こんな事ッ…‥』 確か、小笠原結子は出て行く間際、涙に暮れ、そう言ったような。 男としての機能を果たした俺は、だるく躰をもたげる。 窓の外の紅蓮の陽射しは西に傾き、ほのかに部屋を赤黄色く染め出していた。