ただでさえ鈍間な老婆の足取りが、傷のせいで更に遅い。 「痛いのか?」と聞いても、笑みを浮かべるだけで返答は無いし。 日が暮れるまでに辿り着けるのかよ。 そんな思いと共に、かなりの時間を掛けて玄関の鍵を─────、 鍵は開いていた。