「一度、ちゃんと検査なさった方が良いかもしれませんね」 カルテに何かを記入しながら、眼鏡の主治医は言った。 「そんなに酷い怪我なんですか?」 「いや、そっちの方は大丈夫です。打撲と擦り傷くらいですから」 「じゃ何の検査を?」 「認知症です」