「入れて来ましょうか?」 声の主は、事務の小笠原結子だった。 「あぁ、頼めるかい?」 「ついでですから」 彼女はそう言うと、左手に持った自分のカップを見せた。 「じゃ、お願いするよ」 その柔らかい笑みに昼休みの時間を実感し、俺はカップを手渡す。