電話を終えた時には、是が非でもの気持ちは失せ、憔悴しきった自分が居た。 「…‥調子でも悪いんか?」 何処で身に付けたか解らない、妙なアクセントで老婆が聞く。 もぅ答える気にもなれない。 でも、一つ、聞かなければ。 「────アンタ、年金は?」 こうとなれば、有り金全部出させて何処かに住まわそう。 この歳だ。 僅かな貯えくらいはあるだろう。