私がやったのは、特保のマークの真似。


「そーゆーのを開発するには、ものすごくお金がかかるんだ」


「ふーん」


「だから、一緒に出来ないかと思ってこの話を相手に持ちかけた」


「うん」


「それで、一回は提携が決まりかけたんだけどな」


パパが大きなため息をついた。


「ダメになったの?」


「そうじゃないんだ」


「じゃあ、なに?」


パパの目が、私をとらえた。


ママも、心配そうな顔で私を見てくる。


「美結と、相手の息子さんとの婚約」


「・・・はい?」


思わず、声が裏返ってしまった。