パパが私に、にこって笑った。


でもすぐに、真剣な顔に戻る。


その顔を見て、自分の身体に緊張が走るのを感じた。


「美結。福田会社は知ってるな?」


「はい」


パパが一呼吸おいて、ゆっくり話しだした。


「うちと同じくらいの、大きな菓子メーカーだよな」


「うん。知ってる」


「そこと、提携を結びたいと思ってる」


「提携?」


「例えば、特保。わかるか?」


「あっ、こーゆーやつね」


私は右手を上に、左手を頭くらいに上げた。


私の姿を見て、ママが少し笑った。


「そう。特定保健用食品な」