「でも、じゃないよ。ほんとに、美結は知らなくていい」


「パパ!」


「美結、これは大人の話よ」


「ママ!」


二人とも、絶対私に教えないつもりだ。


「全部聞いちゃったんだから。私を犠牲にってなに?」


「美結・・・」


パパとママが、しまったって顔をした。


「私もう、17だよ。パパの仕事の役に立ちたいよ」


「もう17じゃない。まだ17だ」


「美結。パパの言うとおり。知らなくていいのよ」


「どうして秘密にするの?知りたいよ」


ずるいよ。


私の名前を勝手に出しといて、内容を教えてくれないなんて。


「パパもママもずるいよ」