「ただいま、美結」


「おかえりなさい」


大学から帰ってきた愛人を、パタパタと走って玄関まで迎えに行く。


「マー君、おかえり」


そのまま愛人に抱きつく。


「冷たい。寒かった?」


愛人が着ていたダウンが、外の空気に触れてかなり冷たくなってる。


「ああ。ほら、美結も冷えるから離れろ?」


「えー」


ヤダって言ったら、いい子っておでこにキスされた。


「うー子供扱い」


「そんなことないけど?ちゃんと大人扱いしてるよ?」


そう言って今度は唇にキスが落とされた。


「美結、温かい紅茶が飲みたい」


「うん」