「ありがと、マー君」


おいしいって言われるのは、すごく嬉しい。


買い物袋をお互いの手に持って、空いてる手をつないで家に帰った。


帰ってからは、二人で夕ご飯の準備。


日本の調味料なんかは、ママが向こうから送ってくれる。


「マー君、危ないよ」


背中に抱きつかれて、包丁を動かしていた手を止める。


「いいじゃん。美結が集中すれば問題ない」


「んー意地悪」


愛人に抱きしめられるとドキドキしてしょうがないのに、集中なんて出来るわけないじゃん。


「美結」


そっと顎を持ち上げられ、唇が重なる。


「もう。マー君がご飯作ってる最中にキスするから、毎日毎日、ご飯作るのにすごい時間かかっちゃうんだよ?」


「ん。じゃあ、あと一回だけ」


「しょうがないな、マー君は」