秘密な花嫁~旦那様は同い年~

しばらくすると、式場の人がそろそろですと呼びに来た。


「パパ、ママ、今までありがとう。それから、これからもよろしくお願いします」


そう言って頭を下げる。


「パパもママも、美結が大切な人と出会えたことが一番嬉しい」


「愛人君と幸せになってね、美結」


「はい!」


パパと歩くバージンロードの先には、白いタキシードを着た愛人の姿。


私の家族、愛人の家族、周りには、私たち二人を祝福してくれるたくさんの人。


神父さんの立ってる向こう側は全面ガラス張りになっていて、太陽の光がサンサンと降り注ぎ会場全体を明るくする。


「美結を、頼むな」


「はい」


愛人の目を見て、パパがそう言った。


「美結、愛してるよ」


「パパ・・・」


パパは軽く微笑むと、ママの隣に戻って行った。