「それから?」


「高校卒業したら、美結が大学卒業するまで、父さんの会社で働く」


「おじ様の?」


「ん。兄さんは、自分の道に進んだから。俺が会社を継ぐ」


今年の春大学を卒業した誠さんは、結局福田家の会社を継がず、自分の夢に向かって歩き出した。


自力で勉強し、今は大学院で宇宙について研究している。


「マー君、大学は?どうして私が卒業するまでなの?」


ポンポンと私の背中を叩いていた手が止まった。


「マー君?」


顔を上げると、自然と愛人と目が合う。


「美結、俺アメリカにいるとき、いろんなものを見て、感じて、体感してきた」


「うん」


「だから、アメリカの大学を受けようと思う」


「マー君・・・」


「向こうで、経営や経済のことを学びたい」