「美結、なんか今日、顔にやけっぱなしじゃない?」


「そんなことないよ~」


ようやく梅雨があけ、太陽がサンサンと降り注ぐようになってきた7月。


私がアメリカから帰ってきて、約3カ月がたっていた。


大学生活にも慣れ、新たな生活に毎日胸を弾ませている。


「次の教室どこだっけ?」


「4階」


「じゃあ、階段で行こう」


「マジで~」


階段を上がるたび、ヒールの音がカンカンと響く。


「有里(ゆり)ちゃん、早く」


「はいはい」


元気ですね~と、年より発言をしながら私の後ろをついてくるのは、大学に入って友達になった有里ちゃん。


私と同じくヒールの音を響かせながら、階段を上がって行く。


私たちが勉強してる大学は、2年くらい前に建て替えをしていてすごく綺麗。