私の目を見て、愛人はしっかりとうなずいた。


「約束?」


「ああ。約束する」


愛人の唇が、私のおでこに触れる。


「マー君、人いるよ」


今日は天気がいいからか、外に出てきてる患者さんやその家族が中庭には大勢いた。


「美結、ここアメリカだから、気にしない」


唇同士が触れ合う。


「もう少しだけ待ってて。リハビリして、元気になって、美結のところに戻ってくるから」


「うん。ちゃんと待ってるよ」


これからの会えない日々を埋めるように、私たちは何回もキスを繰り返した。


「愛してる」


どちらともなく、そう呟く。


愛してるよ、愛人。


次の日、私は日本に帰国した。