秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「美結、明日帰るんだよな」


「うん」


愛人が目覚めた後、すぐにお医者さんに知らせ、おば様や一柳さんにも知らせた。


すぐにおば様と一柳さんは病室に飛び込んで来て、おば様は泣きながら愛人に抱きつき、一柳さんは泣きそうなでもホッとしたような顔で愛人を見つめていた。


日本にいるおじ様や誠さん、私の家族にも、愛人が目覚めたことが一柳さんから連絡があり、みんなホッとした気持ちになっていた。


あれから3日。


お医者さんの許可を貰い、愛人の乗った車椅子を押し、病院の中庭に出てきた。


まだ愛人には自力で歩けるほど体力はない。


「気持ちいいね」


「ああ」


中庭には大きな木があったり、たくさんの花が咲いていたりと、人工的に作った空間とはいえ、ほんとの自然のように思える。


木陰に車椅子を止め、空を見上げた。


雲ひとつない、青空だった。


私は明日、日本に帰る。


大学の入学式が、3日後に迫っているのだ。