おば様と一柳さんは、アメリカに来てから病院の近くのアパートを借りて生活をしている。


ずっとホテル暮らしだと、いろいろお金もかかってくるしね。


私もそこに住まわしてもらう。


こじんまりとしたところであまり広くはないけど、それでも住みやすいところだった。


朝おば様と、そのマンションを出てきた。


一柳さんは昨日の夜から愛人に付きっきりだから、今はアパートで寝てるはず。


夜は必ず一人、愛人の傍につく。


いつどうなるか、分からないから。


「マー君、早く起きてよ~」


「美結さんは・・・」


「はい?」


「強いのね。最初にここに来て以来、泣いてないもの」


愛人の頭をなでながら、おば様はそう言った。


「・・・私は、強くないです」


握りしめていた愛人の手を、もっと強くギュッと握りしめる。